古時計ご紹介 その2
14 January 2023 | 1:30 am

アメリカの時計産業は、1800年初期にEli Terry 社が、クロック(置き・掛け時計)の量産を 始め、1850年代にWaltham 社が、ウオッチ(懐中時計)の量産スタ-トをしています。 時計製造は、当時のアメリカでは ハイテク産業 としてメ-カ-が次々に出現し、時計産業は 興隆し、やがて多くのメ-カ-による競争期へと進みます。 1880年~1910年が、アメリカ時計産業の繁栄期で、質・量ともに世界一の生産を行っています。 今回は、この時代に製造された古時計を、ご紹介します。 Westclock 社 Big Ben 目覚時計 1910年に発売の、大きく重い目覚時計です。  高さ15センチ、直径14センチ、重さ800g。 ビッグベンの名称は、イギリスへのノスタルジアからと伝わっています。 発売後、大ヒットし 「アメリカ中を,起こした ビッグベン」 と言われています。 分解掃除済み。時間正しく動きます。 AMERICAN WATCH 社  カギ巻き 銀ケ-ス懐中時計 直径 55ミリ  出テンプ 1873年製造 ウラ蓋を開き、付属のカギでゼンマイを巻き ます。 時刻合わせは、文字盤側の蓋を開き、カギを 長針の上にある角部にあて、針を回します。 動きます。 HAMILTON 社  RAILWAY SPECIAL 992B 21石 精度が高く、信頼性のある鉄道時計製造で 有名なハミルトン社。 この鉄道時計は、さらに精度アップの高級品。 直径50 ミリ 正確に、動きます。 Seth Thomas 社 8日巻き 置き時計 1810年に、セス ト-マスはEli Terry 社を 買い取り、クロック製造を始めています。 彼は、もとは家具指物師で、彼の木への愛着が 伝わる、置き時計です。 ウオルナットの美しい木をくり貫いたケ-スで、 温もりを感じます。 高さ12センチ。分解掃除済み。 動きます。 アメリカに時計産業が存在したことを知らない人が、いるかと思いますが、日本は時計技術・知識を、アメリカより学んでいます。 所持する「標準時計技術読本」は、米国時計学会日本支部編となっています。

古時計
7 January 2023 | 1:55 am

                      ア-カイブ記事      公開 : 2011年7月12日 今の一般時計は、水晶(クオ-ツ)振動子と電子回路主体のム-ブメント(動作機構)を使用し、 電池で動くクオ-ツ時計です。 この時計の出現は、わずか30年ほど前ですが、時間精度は高く、電池交換以外ほとんど修理が  不要なことから、時計店の修理ビジネスが失われ、町の時計店の多くが消えて行き、修理技術者は転職を、余儀なくされました。 クオ-ツ時計出現前の一般時計は、人の手でゼンマイを巻き、1日に20秒ほどの誤差は許される 機械式時計でした。 当時の時計は、持ち主にとって高価な貴重品であり、定期的に分解掃除に出し、宝物のように大事に扱われていました。  機械式時計は、ゼンマイが一杯巻かれた時は、元気良く動き正確な時を刻み、次第に力弱い動きとなり遅れが出ました。 長い間使っていると油が切れて、正確に動かなくなり、落とすと天芯が折れ  完全に動かなくなったものですが、これらは何か命を持ったものの様にも思えました。 9年ほど前、平井堅が歌う「大きな古時計」が流行りましたが、古時計が持ち主と人生を共に歩んだ歌詞の内容に、誰もが共感を覚えたのではないでしょうか?  私は、人間味を感じる機械式時計が好きで、骨董市でホコリを被っている古時計を    見つけると、かわいそうに思い、ついつい買ってしまいました。 時々それらの一つを取り出して、かっての持ち主が、その時計と共にどの様な人生を  歩んだのか?などに思いを馳せ、手入れの時を過ごしています。 気が付いてみると、今の私は、彼らと同じように、世の中で使われないものとなっていました。 追記 : 2023年1月7日 この記事を公開してから、もう12年もの時が流れました。 クォ-ツ時計の出現で、機械式時計の修理技術者だった私は、30歳を前に職業替えをせざるを 得ませんでした。 今の時代では、自動車産業のEV化で、様々な職種で大きな影響が出てきます。

時を刻む
31 December 2022 | 10:16 pm

新年を迎え、私が決まって行うのは、窓辺に飾ったこの置時計を動かす事です。 この時計は、古時計のご紹介 その1 で紹介 した、19世紀にフランスで製造されたものです。 高さ55センチ・幅33センチの大きさで、美しく大きなガラスのホヤを取り外し、ゼンマイを捲きます。 ゼンマイを一杯に捲くと、2週間は動き、長針が真上・真下に来ると、済んだ鐘の音で「チン・ チン・チン…」と鳴ります。 普段も動かしたいのですが、万が一ガラスのホヤを割ったりするのが怖く、お正月とハレの日だけ、 動かしています。 駐在で2年半 住んだオルレアンの蚤の市で、ホコリを被り動かなかった時計を見て買い求め、故障原因の部品を別の日に蚤の市で探しだし、分解掃除と調整の結果、150年以上過ぎた時計が、 今でも時を刻むのは嬉しいことです。 置き時計のケースは、若い貴族が釣り上げた 魚を自慢げに持つポ-ズをしており、釣りを行う 私の趣味にあっています。 また、美しく大きなガラスのホヤ ・白磁の 文字盤+ブレゲ針・手作り捲きカギなどが 19世紀の時計として素晴らしく、大のお気に 入りです。 ゼンマイを一杯に捲くと、2週間も動き続けますが、ゼンマイが解けてくると、振り子の動きは 元気を失い、時間に狂いも出て来るのは、 歳を重ねるにつれて弱って行く人間のようにも 思えます。 新年を迎え、この時計を動かす時、私も更に老いの道を進んだ事を、自覚させられます。  「元旦や、冥土の旅の一里塚。 めでたくもあり、めでたくもなし。」 昨今は体力の衰えに気付き、フレイルも他人事でなくなってきました。 更にコロナ禍が続く時代、私の寿命が急に切れるかも知れませんが、この置時計はゴミとならず、 後世に伝わっていく事を願うものです。                                    〈 鍛造で手作りされた美しいカギ 〉


More News from this Feed See Full Web Site